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リノリウム 2

02-01 春月

第九五号海防艦の「甲板敷物配置」の「註」には以下の様に書いてあります。
 諸筐取付部甲板面はリノリユームを切欠きビチュマチックセメントを塗布すること。
 但しリノリユームを張附せざる甲板に於ては其の侭とす。
(戦後の写図のためカタカナではなくひらがなとなっています)
写真1は戦後の春月の後甲板ですが、箱の下だけでなく給気筒の周りや絡車(リール)の下もリノリウムは張られていないようです。
これは張替え時の手間を減らすためのものではないかと考えています。

02-02 鵲

水雷艇鴻の「甲板敷物配置」の「註」には以下の様に書いてあります。
 一番砲及二番砲操作範囲ニ辷リ止メトシテ「リノリウム」ノ上ニ黄銅○製「ストリップ」ヲ取付ク(○部は読み取り不能でした)
鴻の「甲板敷物配置」にはこの滑り止めは描かれていないため、上図は鵲の上部平面です。
02-03 涼月

この写真は戦後の涼月の後甲板ですが、撤去された25ミリ単装機銃の周りに放射状に穴が並んでいます。
これもリノリウムの上に取り付けられた滑り止めの跡だと思われます。

写真1 写真日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ P.635より
写真2 丸スペシャルNo.111 終戦時の帝国艦艇 潮書房 P.80より

謹賀新年 令和四年

あけましておめでとうございます。

昨年後半は仕事が非常に忙しくなり、このブログに割く時間と何より気力がありませんでした。
この忙しさはまだまだ終わりそうに無く、しばらく投稿ができそうにありません。
ただ、何とかこの正月中にリノリウムについての続きだけ書こうかとは思っています。

新年早々申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。

リノリウム 1

公式図には「甲板敷物等配置」というものがありますが、リノリウムの貼付位置以外にも貼付方法などが判るものがあります。
水雷艇鴻(昭和十一年十月 性能改善工事竣工後)の同図の「註」には以下の様に書いてあります。

「リノリウム」押ヘハ露天甲板ニノミ之ヲ設ケ 尚羅針艦橋「コンパス」磁力半径二米五〇〇(固定物ニ対スルモノ)以内ニハ「リノリウム」押ヘ及同取付ねぢ等総テ黄銅材ヲ使用ス (露天甲板以外ハ糊付トス)

リノリウム押えは総てが黄銅(真鍮)製ではなく、磁力に反応する鉄製が主ではないかと推測できます。

01-01 リノリウム押え要領

リノリウム押えはリノリウムの縁を押えるものですので、リノリウム同士の境目だけではなく舷側側や構造物側にもあります。
上の図は第九五号海防艦の「甲板敷物等配置」にあるスパンウォーター及リノリウム押ヘ装置要領です。
リノリウムは舷側にあるスパンウォーターから150mm離れた位置から張られています。
なお、スパンウォーターのA寸法は場所によって違っており、この艦の場合船首楼甲板で180mm、中央部で380mm(ボートダビットの関係か?)、後部で200mmとなっています。
構造物上にリノリウムが張られている場合、手摺支柱が上面ではなく側面にある所は端までリノリウムが張られているのではないかと推測していますが、写真は見つけられませんでした。

01-02 酒匂 1

01-03 酒匂 2

01-04 雪風

写真1は酒匂の前甲板、写真2は酒匂の一番15cm連装砲横、写真3は雪風の船首楼甲板です。

写真1 歴史群像太平洋戦史シリーズNo.45 真実の艦艇史 学習研究社 P.34より 
写真2 同上
写真3 歴史群像太平洋戦史シリーズNo.19 陽炎型駆逐艦 学習研究社 P.34より

機銃比較

01-1 機銃比較 1

01-2 機銃比較 2
各機銃を同縮尺で描いてみました。(クリックで拡大します。拡大時に上下の図が同縮尺になります。)

七粍七機銃は毘式もありますが、装備された艦は無いようです。
太平洋戦争初期に赤城などに装備された留式(九二式)七粍七機銃は、航空機銃を流用したもので放熱筒が無く照準器は銃身に付いています。
ただ、毘式七粍七機銃には航空機銃を流用したものが制式化されていますが、留式(九二式)七粍七機銃には制式化されたものはありませんので、上記の機銃は艦内で製作されたものかもしれません。

水上艦用の毘式十二粍単装機銃には、膅軸高1400mmの四型改二(昭和14年10月の「機銃型別一覧表」の搭載艦名 八重山/暁/響/雷/電 各2・1掃/2掃 各1)と膅軸高1223mmの四型改一(昭和14年10月の「機銃型別一覧表」の搭載艦名 狭霧/漣 各2・鷗/3掃/4掃 各1)があります。

二十五粍単装機銃は腰当で操作するため膅軸高が低くなっています。
この水上艦用の九六式二十五粍単装機銃三型には右銃と左銃があり、操作位置が違っています。
01-3 二十五粍単装機銃四型
上図は伊362の「砲熕兵装図」における九六式二十五粍単装機銃四型ですが、この潜水艦用の四型は左銃のみのため、機銃の左側に腰当があるのが左銃、右側に腰当があるのが右銃であると推定できます。
ただし、いろいろな艦の公式図には右銃・左銃とは書いて無く、どのような基準で装備されていたのかは不明です。
なお、四型の膅軸高は床面より1400mmとなっており、照準器と腰当の位置が三型よりも後方にあります。

十三粍機銃 8

九三式十三粍単装機銃四型
銃架は毘式十二粍機銃銃架四型改二を改造したもので15m内火艇に装備されました。


九三式十三粍単装機銃五型
最大仰角10度・最大俯角10度の特殊火点用です。
この五型以降は昭和14年10月の「機銃型別一覧表」にはありませんので、それ以降に制式化されたものと思われます。


九三式十三粍単装機銃六型
08-1 九三式十三粍単装機銃六型

図は特設艦船の「九三式十三粍単装機銃六型 据付図」より。
要目(昭和19年2月の「機銃型別一覧表」より)
組合せ機銃  九三式十三粍機銃一型改一
組合せ銃架  九三式十三粍単装銃架六型
操作半径  1350mm
照準器  環型
照準望遠鏡 なし
重量(機銃及銃架)  160kg
陸用として使用する場合は、据付台(重量220kg)を付け土砂にて固定します。
昭和19年2月の「機銃型別一覧表」では最大仰角70度・操作半径1350mmとなっていますが、「九三式十三粍単装機銃六型 据付図」では最大仰角85度・操作半径1300mmと書かれています。
又軸の昇降機能はありませんので、銃架に操作ハンドルはありません。


九三式十三粍単装機銃六型改一
六型の膅軸高を低くし1350mmとしたものです。
昭和19年2月の「機銃型別一覧表」では膅軸高以外の要目は六型と同じです(重量は記載なし)。


九三式十三粍単装機銃六型改二
六型改一の肩当を廃止して腰当を付け、円錐台を簡素化したものです。
昭和19年2月の「機銃型別一覧表」では要目は六型改一と同じです。
操作半径に変化は無いため、二十五粍単装機銃のように機銃横で操作するのではなく、十三粍単装機銃六型と同様に後で操作するのではないかと推定しています。

六型改一は対空戦闘には向かないと思われますので、太平洋戦争後半に増備された十三粍単装機銃は六型か六型改二と思われます。
しかし「各艦 機銃、電探、哨信儀等現状調査表」(福井静夫編集 潮書房光人社刊)には増備された機銃は単に13mm機銃としか書かれてなく、どの形式が装備されたのかは不明です。


九三式十三粍単装機銃七型
陸用三脚架で、旋回部は六型と同様にしたものです。


昭和19年2月の「機銃型別一覧表」に記載されている十三粍機銃は以上です。

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老猿

Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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