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潜水艦用13mm連装機銃 1

機銃型別一覧表には、潜水艦用の13mm連装機銃が4種類記載されています。
九三式十三粍二連装機銃四型と、五型及び五型改一、六型です。
これらの形状についてはまったく知られていませんでしたが、各種機銃縮図に四型と五型の図がありましたので紹介したいと思います。

九三式十三粍二連装機銃四型

九三式13mm機銃四型

図は「各種機銃縮図 昭和十一年二月調製」より(一部アレンジあり)。
ただし、図に書かれている重量は「予定重量 550kg」となっていますので、この時点ではまだ開発中だと思われます。
完成したものとは多少違いが有るかも知れませんが、それほど大差は無いと思います。

 組み合わせ機銃    九三式十三粍機銃二型改一
 組み合わせ銃架    九三式十三粍二連装銃架四型
 最大仰角         85度
 最大俯角         10度
 操作半径         1400mm
 照準器          環型
 重量(機銃・銃架)    520kg
 搭載重量         850kg

昭和14年10月の機銃型別一覧表にある搭載艦名
伊7  1 ・ 伊8  1 ・ 伊74  1 ・ 伊75  1

機銃本体が取り付けられている又軸は、昇降可能です。
図を見て判るように、13mm単装機銃の銃身を2つ並べたような形状です。
起倒式の銃架は、ばねを利用したと思われる補助装置が付いています。

伊8-1

写真での確認はできませんでしたが、この18年8月の伊8の艦橋後部にある蓋がそうではないかと推測しています。
(「丸スペシャルNo.31 日本の潜水艦I 潮書房」P.67より) 

潜水艦用13mm連装機銃 2

九三式十三粍二連装機銃五型

九三式13mm機銃五型

図は「各種機銃縮図 昭和十一年二月調製」より(一部アレンジあり)。
これも、図に書かれている重量は「予定重量 360kg」となっていますので、この時点ではまだ開発中だと思われます。
完成したものとは多少違いが有るかも知れませんが、それほど大差は無いと思います。

 組み合わせ機銃    九三式十三粍機銃二型改一
 組み合わせ銃架    九三式十三粍二連装銃架五型
 最大仰角         85度
 最大俯角         10度
 操作半径         1400mm
 照準器          環型
 重量(機銃・銃架)    330kg
 搭載重量         660kg

昭和14年10月の機銃型別一覧表にある搭載艦名
伊7  1 ・ 伊8  1 

機銃本体が取り付けられている又軸は、昇降可能です。
機銃本体は銃架より取り外し、艦内に収納しているものと思われます。

伊8-2

水上艦用の13mm連装機銃とはまったく形状が違いますので、写真で探しても判らなかったのだと思います。
しかし、この伊8の航空写真(「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.706より)では矢印部にわずかに影があり、手前に何かがあることが判ります。
この影を作っている物には又軸のようなものが見え、これが13mm連装機銃の銃架だと思います。

潜水艦用13mm連装機銃 3

九三式十三粍二連装機銃五型改一の図はありません。
機銃型別一覧表には
 重量(機銃・銃架)  320kg
 搭載重量       620kg
となっていて、いくらか軽量化された物のようです。

伊75

昭和14年10月の機銃型別一覧表にある搭載艦名は
伊74  1 ・ 伊75  1 となっています。
海大6型bに所属する両艦は、13mm連装機銃2基から13mm単装機銃1基へと設計変更されたとする資料もあります。
しかし、この機銃型別一覧表に記載されている事と、「歴史群像 太平洋戦史シリーズNo.17 伊号潜水艦 学習研究社」の折り込みにある公式図には機銃が2基描かれていること(艦橋天蓋平面にある文字はつぶれて読み取れませんが、文字数から十三粍連装機銃と書かれているのではないかと推定しています)から変更は無いのではないかと思っています。
艦橋を前から見た写真でも、艦橋後部側の幅が海大6型aよりも広くなっているようですし、この伊75の写真(「世界の艦船増刊 日本潜水艦史 海人社」P.58より)では艦橋上にそれらしき影が写っています。

六型は、機銃型別一覧表には五型と同様の円錐台式で操作半径を1mに縮小したものと書かれています。
しかし、搭載艦名には何も書かれてはいませんし、4艦以外には13mm連装機銃を搭載した潜水艦は無いようです。

潜水艦用13mm連装機銃 4


毎日新聞社の「シリーズ20世紀の記憶 不許可写真2」P.167の右上に、潜水艦の後甲板で兵員が体操をしている写真があります。
このページの下には「潜水艦イ8号の写真4枚は不許可にされた。」とありますが、右上のこれだけは伊8ではありません。
この写真の潜水艦には後甲板にカタパルトが無く、また兵員の間に機銃が写っています。

06-1 九三式13mm機銃四型-2

この機銃は、銃身の長さ・形状から13mm機銃です。
そして、銃身部分を拡大してみるとこの機銃が連装であることが判ります。

06-2 九三式13mm機銃四型-3

この後甲板に装備された機銃は、起倒式の銃架である九三式十三粍二連装機銃四型ではないかと思われます。
「各種機銃縮図 昭和十一年二月調製」にある図を多少加工したものと並べてみました。
なお、この機銃については当ブログの「潜水艦用13mm連装機銃 1」で解説しています。

06-3 海大6型b後甲板

13mm連装機銃を搭載したのは、巡潜III型と海大6型bだけですので、この写真の潜水艦は海大6型bの伊74か伊75のどちらかということになります。
この写真は昭和17年5月にマーシャル諸島で撮影されたもので、この時期の両艦の行動とも合っています。
ただ、「歴史群像 太平洋戦史シリーズNo.17 伊号潜水艦 学習研究社」の折り込みにある公式図では、13mm機銃は短艇収納部の真横(青い点)に描かれていますが、この写真では短艇収納部の後端部(赤い点)にあります。
「公式図は計画時のもので、その後に変更となった」「公式図は伊74、写真は伊75」等の可能性がありますが、詳細は不明です。
本に掲載されている図面は公式図の表題部が省いてありますが、その図の信用性にかかわる部分ですので省かないで欲しいものです。

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老猿

Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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