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朝潮型 1

公式図には甲板敷物図というものがあり、これでリノリウム等の場所がわかるのですが、残念ながらあまり残っていないようです。
ただ、上部平面の中にもリノリウムの張られた場所が示されているものがあります。
朝潮型駆逐艦の荒潮・朝雲の上部平面にもこのリノリウムの張られた場所が示されています。

01-1朝雲 リノリウム

朝雲のリノリウム配置です。(クリックで拡大します)
朝雲の上部平面以外に、荒潮の諸甲板平面、朝潮の艦橋装置図を参考にしています。
荒潮は、舷側の樋の数や位置に違いが見られますがリノリウムの配置位置は同じです。
ただ、朝潮型すべてが同じとは限りません。
甲板上のリール等の備品の下は、特に図示はされていませんのでそのままとしましたが、他の艦の公式図を見る限りリノリウムは張られていないと思われます。
2m測距儀座の敷物についても図示されてはいませんが、初春型の初霜の上部平面に木製グレーチングを示す印が描かれていることや、松型駆逐艦や丙型海防艦の艦橋上の測距儀の周りも木製グレーチングであることから、ここも同様と推定しました。
また、その後方にある縦舵機調整台の周囲も木製グレーチングが敷かれている可能性があります。
艦橋の信号所のリノリウムは、朝雲・荒潮の上部平面ではマストまでとなっていますが、朝潮の艦橋装置図を見ると信号旗掛まで敷かれているのかもしれません。

次回からは細部の説明をします。

朝潮型 2

02-1a 朝潮 艦橋
02-1b 朝潮 艦橋
02-1c 朝潮 艦橋
02-1d 朝潮 艦橋

朝潮の艦橋です。(クリックで拡大します)
朝潮の公式図「前部艦橋装置」を主にし、大潮の「艦橋構造」を参考にして描いてあります。
窓は青で、梯子・足掛・手掛は赤で、手摺は緑で描いてあります。(側面図の窓は左舷側を示します)
天蓋左舷側にある昇降口は荒潮の上部平面には描いてありますが、朝雲にはありません。
朝雲では廃止されたのかもしれません。(陽炎型では廃止されています)

02-2 朝潮 艦橋

公式図には描かれていませんが、写真には左舷側に吸気筒が確認できます。
一一式軽機銃は、陸軍の十一年式軽機関銃と同じものです。
昭和14年10月の「機銃型別一覧表」では、一等駆逐艦綾波型外五四艦に各2-4と書かれています。
普段は艦内においてあり、必要な時にここに装備できるようにしてあるようです。
この機銃は島風や夕雲型風雲の艦橋でも装備位置が示されていますし、早霜や秋月には後継の九六式軽機銃の装備位置が示されています。

また朝潮型に装備された機銃ですが、朝潮には九六式二十五粍二連装機銃一型2基、大潮・満潮・荒潮・霞・霰には九五式二十五粍二連装機銃一型2基、朝雲・山雲・夏雲・峯雲には九三式十三粍二連装機銃二型2基となっています。
前回の朝雲の図では25mm連装機銃で描いてしまいましたので、13mm連装機銃に直しました。

写真1 世界の艦船増刊 日本駆逐艦史(新版) 海人社 P.114より

朝潮型 3

荒潮の公式図は、「写真日本の軍艦別巻2 海軍艦艇図面集II」に舷外側面・上部平面・諸要部切断の写図があります。
しかし省略部が多くあり、また煙突平面などオリジナルとは違ってしまっているところがあります。
また、上部平面だけではどうしても隠れた部分が出てきますので、諸甲板平面も参考にして作図してみました。
なお、上部平面と上甲板平面では備品等の位置に違いが見られますが、この図では上部平面を主としています。
艦首部は朝潮型だけの特徴が見られないため省略します。

03-1 荒潮 前部煙突
03-2 荒潮 前部煙突
03-3 荒潮 前部煙突

荒潮の艦橋付近から一番魚雷発射管までです。(クリックで拡大します)
側面図は舷側部と中央構造物で分けて描きました。
窓は青で、梯子・足掛・手掛は赤で、手摺は緑で描いてあります。
朝雲の荒潮と違っている部分は別枠で示しました。(舷側の排水樋の違いは「朝潮型 1」のリノリウム配置図を参照して下さい)

前部煙突基部の吸気口前の形状がよくわかりません。(赤い矢印)
構造物が吸気口の向かって広がっているように描かれていますが、上甲板平面では真直ぐであり、円材格納所もあることから上面だけ広げてあるのかもしれません。
写真ではこの部分が判るものはありませんでした。
時雨や五月雨も同様に描かれていますので白露型でも探しましたところ、春雨の入渠修理時に撮影された写真がありました。
しかし、「写真日本の軍艦別巻2 海軍艦艇図面集II」の春雨の上部平面にはこの広がりは無く写真でもそのようになっています。
残念ながら春雨は違う形状であった可能性があります。

03-4 サイレン配管

前部煙突のスチームサイレン用の配管は各艦で違いが見られます。
写真で確認できるものを作図してみました。

以下の図を修正しました。
「朝潮型 1」の前部煙突前の平面形状を修正。
「朝潮型 2」の艦長休憩室を艦橋休憩室に訂正。


朝潮型 4

04-1 荒潮 後部煙突
04-2 荒潮 後部煙突
04-3 荒潮 後部煙突

荒潮の一番魚雷発射管から二番魚雷発射管までです。(クリックで拡大します)
窓は青で、梯子・足掛・手掛は赤で、手摺は緑で描いてあります。
この辺りは文字の判読ができない物があり、備品の多くが特定できませんでした。
紫色の矢印で示した物は図面には名称が書かれていませんが、位置や形状から次発魚雷の装填用のウインチだと思います。
これの動力は魚雷発射管の旋回用動力を切り替えて使用するそうですので、左舷側に伸びるのがそのためのシャフトかと思われます。
左舷側の一番魚雷格納筺下にある電動揚貨機のある部屋の後部は、揚貨機からのワイヤーを通すための開口部があります。
残念ながら開口部の形状はわかりませんでした。

04-4 荒潮 後部操舵所

九十糎探照燈の下にある後部操舵所の入口は開口部となっており、扉はありません。
これは初春型・白露型・陽炎型・夕雲型・秋月型も同様です。
また、この部屋の窓も開口部で描かれており名称も覗窓となっています。


「隼鷹 35」に次の記事を追加しました。
名称未設定 1

右舷側の縦舵機調整所は新造時には緑色の線で描いたところにありました。
残念ながらいつ移動させたのはは不明です。
また元の線の消し方が結構雑なため、もしかしたら改訂欄の最後である19年10月末の時の改訂かもしれません。
その場合、計画のみで実施されなかった可能性もあります。

朝潮型 5

05-1 荒潮 艦尾
05-2 荒潮 艦尾
05-3 荒潮 艦尾

荒潮の2番12.7cm砲から艦尾までです。(クリックで拡大します)
窓は青で、梯子・足掛・手掛は赤で、手摺は緑で描いてあります。
朝雲の荒潮と違っている部分は別枠で示しました。(舷側の排水樋の違いは「朝潮型 1」のリノリウム配置図を参照して下さい)
荒潮及び朝雲の公式図は竣工時のもののようで、艦尾形状は改造前となっています。

以下の図を修正しました。
「朝潮型 3」の側面図の前部マストの頂部及び空中線を追加。

朝潮型は今回で終了です。
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Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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