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阿賀野型 10

09-1 能代?-1

さて、ここで「19能代?写真」(「丸スペシャルNo.5 軽巡阿賀野型・大淀 潮書房」P.4より)の検証です。
下写真は矢矧の天一号作戦時です(「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.310より)。
酒匂には俯瞰写真が見当たりませんので、近い向きから位置から撮影されたこの写真を比較対照にしました。
昭和19年3月時の能代には、13号電探は装備されていません。
そのため吸気口上の電探室もありません。
酒匂は竣工時より13号電探を装備しており、電探室も矢矧より大型です。
「19能代?写真」には13号電探が見当たらない上に、吸気口上の電探室がありません(赤矢印)。
さらに、マストの傾きも酒匂とは違うようですし(艦橋測距儀塔後端と煙突前端とのマストの間隔に注意)、クロスツリーの位置も高いようです(青矢印)。

阿賀野型 11

煙突の前に探照燈を装備したのは、能代(S19年)・矢矧(S20年)・酒匂です。
ただ、探照燈台の形状は違っているようです。

10-1 探照燈台

能代は、図面によると探照燈座は円形で、その支柱は後部が太く上甲板から、前部は細くセルター甲板からとなっています。
梯子は右舷側にあり、円材格納所から上がるようになっています。
酒匂は、写真を見る限り、探照燈座は八角形で、支柱は前後とも太く上甲板より、梯子は左舷側にあり踊り場付で上甲板から上がるようです。
この支柱の下方への広がり角は、能代に比べると非常に小さいものとなっています。

10-2 探照燈台-矢矧

矢矧は、時期的に探照燈座は八角形だと思われます。
支柱ですが、天1号作戦時の写真(「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.310より)を加工(コントラストと明るさを調整)してみますと、それらしき物が浮かんできます。
酒匂に比べると多少広がり角が大きいように感じましたので、そのような図にしてみました。
梯子は左右どちらにあるかは不明ですが、両舷ともに円材格納所があることから、そこから上がるものと思います。

阿賀野型 12

11-1 高角測距儀-能代

昭和19年時の能代の、煙突横にある測距儀台です。
ここに設置されている測距儀は、図面には四米半高角測距儀と書かれています。
また、矢矧の19年末の図面も同様に、この測距儀は四米半高角測距儀と書かれています。
竣工時の能代の写真では、飛行甲板には九四式高射装置が装備されているようですので、この改装時に変えられたのかもしれません。
8cm連装高角砲1基のために九四式高射装置1基はもったいないということでしょうか?
測距儀の下は補強版が付けられています。
また、この測距儀台上にはシールド無しの機銃射撃装置が設置されています。

11-2 高角測距儀-能代

上甲板平面です。
測距儀台の中は兵員待機所で、赤印の位置に扉があります。
右舷側は9m内火艇を搭載するために大きく切り欠かれています。
同様に右舷側のみ、艦尾側に真水タンク(飲料水貯蔵タンク)が置かれています。

阿賀野型 13

12-1 高角測距儀-酒匂

酒匂の測距儀台です。
能代より舷側側に拡大されています。
終戦時には、台上にブルワークが追加されています。
測距儀は矢矧の新造時の物と比べると上下が薄くなっています。
また、その下の補強板も能代より数が少なくなっています。

12-2 高角測距儀-酒匂

平面形状ですが、能代の物と似た変形六角形だと思います。
この測距儀台を後部から写した写真は、左写真(「JAPANESE CRUISERS OF THE PACIFIC WAR NAVAL INSTITUTE PRESS」のP.604より)のみで、しかも艦中心側は飛行甲板に隠れています。
ただ、台上のブルワークは赤矢印のところで途切れているようです。
台自体はもっと続いている可能性も有りますが、煙突の吸気口への空気の通り道を考えると六角形ではないかと思います。

この測距儀台の上には、右上写真(「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.180より)を見ると何かがあるようです。
測距儀の影の中にあるので判り難いですが、後方の水偵の予備フロートが途切れていることからも判断できます。
能代と同じようにシールド無しの機銃射撃装置だと思います。

右下写真(「丸スペシャルNo.5 軽巡阿賀野型・大淀 潮書房」P.49より)で判るように、艦尾側のボートダビットは半分舷外に飛び出して設置されています。
また、写真では艦上に置かれた9m内火艇の艇尾とこのダビットが重なるように写っている事やダビットの旋回圏を考慮してみると、9m内火艇を艦上に置いた場合は舷外に艇尾が飛び出すようです。

12-3 高角測距儀-酒匂

上甲板平面です。
やはり9m内火艇搭載のため、右舷側の形状が違っています。

阿賀野型 14

13-1 高角測距儀-矢矧

最終時の矢矧の測距儀台ですが、酒匂とほぼ同じ物のようです。
平面形状ですが、天一号作戦時の写真(「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.310より)では、台の上部分は多少暗く写っていますが、赤矢印部は煙突と同じ明るさのように思えます。
ただし、こういう事は思い込みでそのように見えることもありますので、確実なことは判りません。
さらに、コントラスト等を調整してみると、上甲板平面では酒匂のような9m内火艇用の窪みが無いようです。
それどころかボートダビットも見当たらないようで、9m内火艇の搭載は無いものと思います。
測距儀台の上に何かあるようですが、これが何なのかは判りません。
他の天一号作戦時の写真を見ると、艦橋前の機銃射撃装置は撤去されていませんし、この測距儀台の改装前に3連装機銃の増備は済んでいましたので、機銃射撃装置の増備の可能性は低いとは思っています。

13-2 能代?-2

ここで再び「19能代?写真」(「丸スペシャルNo.5 軽巡阿賀野型・大淀 潮書房」P.4より)の検証です。
「19能代?写真」では9m内火艇は、高角砲と測距儀台の間にあり、艇尾が舷外に飛び出すことなく全てが艦上に搭載されています。
このような形で搭載できるのは能代のみです。

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老猿

Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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