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阿賀野型 22

21-1 後部艦橋-能代

阿賀野の後部艦橋は資料がありませんので、先に能代の新造時の後部艦橋です。
図は戦前船舶研究会のDVD図面集から、能代の「九三式十三粍二連装機銃 銃側弾薬包筐 装備図」の一部です。
訂正欄に「昭和17年11月5日 符号7(弾薬包筐取付座金用の螺子を指しています)現場不具合に付寸法訂正」とありますので、能代は新造時より13mm連装機銃を搭載していたことがわかります。
艦首側にある吸気口の上に見えるのが弾薬包筐で、吸気口の下は縦舵機調整台格納所になっています。

21-2 後部艦橋-阿賀野

上は写真から推定した阿賀野の後部艦橋です。
阿賀野と能代の後部艦橋は、機銃や上にある構造物以外の基本形は同形状だと思います。
後部マスト付近の見張方位盤と1.5m測距儀は、艦中心線上にありそれほど不明点は無いのですが、問題はその前にある構造物、特に上にあるものです。
計画では、ここには後部操舵室が、その艦首側には高さが少し低い発射予備指揮所があり、後部操舵室の中には舵輪が、発射予備指揮所の上には九二式発射指揮盤が置かれる予定でした。
しかし下写真(「丸スペシャルNo.123 戦時中の日本巡洋艦I 潮書房」P.17より)を見ると、構造物の右舷側にあるようで舵輪や発射指揮盤とは思えません。
揚艇桿操作所の可能性もありますが、断定はできません。
ただし、この写真では上の方がはっきりせず、後ろにある白い物の形状で、偶然何かがここにあるかのように見えているだけなのかもしれません。

阿賀野型 23

22-1 後部艦橋-能代

19年時の能代の後部艦橋です。
(参考図面 戦前船舶研究会DVD図面集より 「能代 後部艦橋構造」)
探照燈座は艦尾側が欠けた円形で、四角い物は整合器です。
揚艇桿操作所には艦首側と右舷側のみにブルワークがあります。
後部艦橋の上には25mm3連装機銃がありますが、位置やブルワーク形状が矢矧とは違っています。
艦首側にはブルワークの欠けた所があり、上甲板へ下りるための梯子があります。
艦尾側は、後部マストの位置で1段下がっています。
後部艦橋構造物本体には機銃を支えるための支柱があります。
また艦尾側の平面形状は、わずかに丸くなっています。

阿賀野型 24

23-1 後部艦橋-矢矧

矢矧の後部艦橋です。
(参考図面 戦前船舶研究会DVD図面集より 「第134 135号艦 後部艦橋構造」)
能代と比較すると、各所が工事簡易化のため直線化となっていますし、後部マスト付近の段差も無くなりました。
後部マストの黒い塗装部分は、矢矧のみ下方が多めに塗られています。

23-2 後部艦橋-矢矧

酒匂の後部艦橋は、基本構造は矢矧と同一です。
(矢矧「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.179より、酒匂「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.180より)
しかし、揚艇桿操作所にブルワークがありません。
また、機銃座のブルワークの高さも違っていますが、床面からの高さは同一で、床面より下方に伸ばされています。

阿賀野型 25

24-1 後部マスト

後部マストにある探照燈座は、阿賀野・能代・矢矧は同じ高さにありますが、酒匂のみは少々低い位置にあります。
(阿賀野「丸スペシャルNo.5 軽巡阿賀野型・大淀 潮書房」P.3より、矢矧「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.179より、酒匂「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.180より、阿賀野は左右反転)
酒匂は、終戦時には前部マストのヤード先端と後部マスト上部がカットされています。

24-2 後甲板-能代

19年の能代の艦尾です。
爆雷兵装は、投下台から投下軌条へと変更されていますが、中央に1本だけです。
舷側にある棒は繋船桁です。

阿賀野型 26

これまでの考証で書き漏らした事、新たに見つけた事です。

25-1 舷外電路

舷外電路は1番砲塔付近で下がりますが、その位置は酒匂のみ少し前よりです。
(上:矢矧「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.179より、下:酒匂「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.180より)

25-2 弾薬格納所

艦橋前にある25mm3連装機銃座にある弾薬格納所の位置が、阿賀野・能代と矢矧・酒匂では少し違います。
(上:阿賀野「丸スペシャルNo.5 軽巡阿賀野型・大淀 潮書房」P.3より、下:矢矧「日本海軍艦艇写真集 巡洋艦 ダイヤモンド社」P.179より、矢矧は左右反転)

25-3 前部マスト

能代(上)と矢矧(下)の上部平面図を比較すると、前部マストのヤード先端部の位置に違いが見られます。
阿賀野と矢矧の写真を比較してみると、やはり阿賀野・能代と矢矧ではヤードの取り付け角度が違っているようです。
(写真の出典は上と同じ)
なお、酒匂は矢矧と同じようですが、以前書いたようにマストの傾きが違っていますので、平面での位置は違ってきます。
クロスツリーは、右舷側に伸びるものには九〇式無線電話機があるため左右対称ではありません。
このクロスツリーも、能代と矢矧の図面では形状が違って描いてあります。
(高角砲座も形状に違いが見られますが、写真での確認は不可能でした)
この前部マストの艦尾側基部にはプロペラ格納所があります。
プロフィール

老猿

Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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