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占守型 9

今回は大戦末期の占守についてです。

09-1 八丈 比較

ただ、その前に少々占守と八丈の違いについて書きます。
写真1は八丈、写真2と3は占守です。
(写真1 「丸スペシャルNo.28 海防艦 潮書房」P.38より、写真2 「丸スペシャルNo.28 海防艦 潮書房」P.6より、写真3 「終戦と帝国艦艇 福井静夫著 光人社」P.104より)
両艦とも前部マストには22号電探を装備するために改造されましたが、占守には上部マストに支柱があります。(青い矢印)
船体中央部には両舷に機銃座が設けられていますが、占守は煙突直後にそれがあり、八丈は後部マストの後方、二番12cm砲の跡にあります。
また、後部マストも八丈は以前のままですが、占守は形状及び位置が変わっています。
これらの相違点により、「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.759の八丈の写真は占守であることが判ります。

09-2 最終時 艦首

では占守の艦首についてです。
(写真4 写真2と同、写真5 「写真 日本海軍全艦艇史 KKベストセラーズ」P.759より)
占守は戦中に艦首を喪失して簡易船型の艦首になりました。
写真4で舷窓の残り方やナックルから緑の矢印の位置、一番12cm砲の直前付近までが簡易船型の艦首になったものと思われます。
また、写真5では揚錨装置やボラードなどの位置が以前と変わっていないことが判ります。
ただ、防雷具フェアリーダーは省略されています。
海防艦丙型の艦首を取り付けたとする資料もありますが、深さが違いますし揚錨装置も違う位置にありますので、艦首新造の際に丙型を参考にしたという程度かと思います。

09-3 最終時 その他

その他の変更点は以下のようです。
(写真6・9 写真5と同、写真7・8・10 写真3と同)
赤い矢印  
船首楼後端と煙突直後両舷に機銃座を新設し、艦橋脇の機銃座を拡大しました。
これらに設置された25mm機銃は、艦橋脇は3連装のようですが他ははっきり判りませんでした。(船首楼後端のものは連装のような感じがしますが)
なお、二番12cm砲は写真に写っていますので残されていることが判ります。
黄色の矢印
艦橋前面に台座を設け8cm迫撃砲を装備。
橙色の矢印
信号所を後方に延長、艦橋天蓋部の測距儀付近のブルワーク部を拡大。
緑色の矢印
前部マストを改造して22号電探や逆探を装備。
探照燈座の基部と方向探知機の間に構造物が新設されています。(電探室か?)
水色の矢印
煙突上部の幅のすぼまりが無くなっています。
青色の矢印
後部マストは形状が変わり高さも高くなっています。
また、機械室給気路や空中線引込み筒の位置(黒い矢印)を比較すると、いくらか艦首寄りに移されているようです。
終戦後の写真では後部マストに13号電探はありませんが、写真9で黒くなっている部分があり(紫の矢印、ただし偶然そう写った可能性も有り)、13号電探が装備されていたのかもしれません。
白い矢印
爆雷投下台を撤去し、艦尾に張り出しを設け爆雷投下軌条に変更されました。 

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老猿

Author:老猿
  
日本海軍艦艇を、公式図と写真から
検証しています。

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