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伊27(伊3とされる写真の正体) 6

先日、一参加者さんからコメントをいただき、「伊号第27潜水艦の活躍 ―暗号長の潜水艦戦記―」(吉田菊芳氏著 戦史刊行会刊)という本を紹介してもらいました。
私もこの本を入手できましたので、改めて記事としてまとめてみたいと思います。


伊27の兵装に関しては、P.19~20に記述があります。

「     兵   装
魚 雷   五三 センチ 酸素魚雷 一七本
発射管   艦首 六門
砲     一四 センチ 一門
機 銃   二五 ミリ  二基    特殊潜航艇 一艇の搭載装置を有す  」

このように書かれていますが、航空機搭載設備の記述はありません。
また、著者は昭和16年11月から昭和19年1月までこの艦に乗り組んでおられましたが、自艦航空機に関しての記述は一切ありません。


昭和17年10月9日に商船を砲撃したようすをP.117に書いてあります。

「『魚雷命中』が司令塔から艦内に伝えられ艦内粛として敵沈没の声を待つ耳に『浮上、砲戦用意』が響いてきた。砲員は発令所と前部兵員室のハッチの下に集まり、『砲員配置よし』が届けられ艦は浮上を始める。電信室から『商船S連送』が届けられる。潜舵手の『浮き上がり』という声と共に司令塔ハッチが開かれ、砲員は水の滴る艦橋から、まだ膝を没する程の海水のある上甲板に飛び降りて砲側に進み、上甲板が水の上に現れるや第一弾が艦を揺るがして飛んでゆく。浮き上がってから僅かの時間である。」
06-1 艦内側面
発令所は司令塔の下にあり、ここに集まった砲員が司令塔を通り艦橋上に出て砲に行き初弾を発射し、その後に前部兵員室のハッチから出た砲員は弾薬の供給等にあたったのでしょうか。
前部兵員室は魚雷発射管室の直後にあり、そのハッチは本来の乙型ではクレーンの基部の近くにあります。


この本の扉には「初代吉村巌艦長 伊27潜甲板上での写真」というキャプションのついた写真が載っています。
06-2 波除
残念ながら舷側に向いて撮影されたため艦の全体像はわかりません。
ただ、舷側には14cm砲の波除けが写っており、その波除けの上には固定式の手すりが取り付けられているのが判ります。(写真1)
固定式の手すりは艦橋側面部から前方にしか取り付けられては無く、前甲板に砲がある丙型の波除けには付いていますが(写真2 伊24「歴史群像 太平洋戦史シリーズ 日本の潜水艦パーフェクトガイド 学習研究社」P.52より)、本来の乙型のような後甲板にある波除けには付いていません(写真3 伊37「丸スペシャルNo.31 日本の潜水艦I 潮書房」P.23より)。

これらは伊27には航空艤装は無く、14cm砲が前甲板にある証拠となるかと思います。


昭和17年5月31日の特殊潜航艇発進のようすをP.82に書いてあります。

「間も無く、艇長と艇付は特殊潜航艇の中に入り、交通筒を切り離す作業が行われた。潜水艦のほうは上甲板へ出るハッチを閉めれば済むが、(筒)の方では艇底に開いている入口のマンホールを閉めなければならない。その間は潜水艦との間は電話連絡が行われていた。」
06-3 交通筒
伊27には特殊潜航艇との間に交通筒が設けられていたことがわかります。
後甲板の下には主機械用消音器があり、交通筒はそれの艦尾側にあると考えられます(主機械用消音器の艦首側では艦橋と近すぎるため)。
特殊潜航艇の下部ハッチはセイルの直前あたりに位置していますので、特殊潜航艇の搭載位置はこのようになると思われます。


情報をくださいました一参加者さん、ありがとうございました。

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