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加賀 7

07-1 飛行甲板後部

写真1は昭和12年5月撮影のものですが、これはどこから撮影されたのかを検証します。
まず、手前に見えるのは着艦制動装置の導管装置です。
青い線でなぞってあるのは着艦制動装置の横策を持ち上げる物でこの写真では4個見えています。
八九式艦攻の奥には倒された左舷前檣がみえ(赤い線でなぞったもの)、左翼端には左舷の高角砲群の上にある飛行機救助網の後端部がみえます(緑の線でなぞったもの)。
これらのうち、飛行機周辺の3個の横策を持ち上げる物と左舷前檣、さらに飛行機左翼の日の丸と尾翼の位置関係を考慮して、図Aが第8横策後方から図Bが第7横策後方からとして飛行機の位置を推定してみました。
さて、横策を持ち上げる物の間隔のうち最も前方のに注目します(紫の矢印)。
写真ではその間隔は徐々に狭く写っており、図Aでは水色の線の間の角度が小さくなることで写真の見え方と一致します。
ところが図Bでは横策間の距離の違いにより角度が小さくならず、写真のような見え方にはなりません。
また、飛行機救助網の後端部と高角砲の位置関係もあいません。
写真1は後部エレベーター後方の第8横策直後から撮影されたものと思われます。

さて、この写真から判ることはこの導管装置付近は木甲板であること、そしてその直前部には鉄甲板部が存在していること(下の拡大写真の橙色の矢印)です。
しかもこの鉄甲板部は両舷に渡るものではなく、舷側部のみのようです。
なお、この手前の導管装置には策が張られておらず、使用されていないことがあったようです。

07-2 飛行甲板後部 2

写真2は昭和5年撮影のものですが黄色の矢印部の前後で明度差があります。
しかし写真の明るさとコントラストをいじってみると、この明度差は両舷に渡るものではなく橙色の矢印部までとなっています。
写真3は昭和15年頃のものですがやはり同位置に明度差が見られます。
写真2において赤い線でなぞったものは煙突で、この黄色の矢印部まで舷側部に鉄甲板があるのは理にかなっていると思います。

07-3 飛行甲板後部 3

それ以外にも不明瞭ではありますがこの鉄甲板部が写っている写真があります。
写真4と5は共に昭和12年ごろに撮影されたものです。

写真1 丸スペシャルNo.127 日本の空母II 潮書房 P.47より
写真2 日本海軍艦艇写真集 航空母艦・水上機母艦 ダイヤモンド社 P.28より
写真3 写真日本の軍艦第3巻 空母I 光人社 P.124より
写真4 世界の艦船増刊 日本航空母艦史(旧版) 海人社 P.30より
写真5 歴史群像太平洋戦史スペシャル3 決定版日本の航空母艦 学習研究社 P.13より

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